柿渋染め

柿渋染め

古くから日本で使われてきた天然の染料、柿渋を用いた加工は、単に色を付けるだけでなく、布に機能性を付与する伝統技術です。

青柿を絞って発酵させた液体を用い、天候や気温、湿度に合わせて染料の濃度と染め時間を調整します。柿渋に含まれるタンニンが布の繊維と結合し、年月が経つごとに色が深まる(経年変化)のが大きな特徴です。また、柿渋には高い撥水性や防腐・防虫効果があり、単なる染料を超えた機能を持たせることができます。

合成染料では出せない深く落ち着いた色合いと、使うほどに風合いを増す生命力が、柿渋染の魅力です。この工程は、天然素材である麻と柿渋、そして職人の経験による微細な調整が三位一体となって初めて実現する、環境にも優しい伝統的な染色技術です。